2006.02.28 (Tue)

【西遊記】第十一回 五庄観で人参果を盗み食いする(3) 

猪八戒はせっかちで、
ひとくちで実を飲み込んでしまったので、
味も素っ気もありませんでした。
そこで、悟空に
もう一度盗んで来てくれるように頼みました。

悟空はこの人参果は1万年で30個しか実がならず、
1個食べたんだから、それで満足しろ、と言って、
金撃子を元の場所に戻してしまいました。

八戒は気に入らず、ブツブツと、
もう1個食べられたらどれだけいいだろう、
などと言っていると、
運悪くふたりの童子に聞かれてしまいました。

あわてて童子たちが果園へ行って数えてみると
実が4個減っています。
きっと唐僧の師弟4人が盗み食いしたのだろうと、
怒り心頭で唐僧のところに来て文句を言いました。

「和尚さんたち、
食べなさいと言っても食べなかったくせに、
どうして盗み食いなんかしたんですか?」

初めのうちは、悟空たち弟子3人は
どうしても人参果を盗み食いしたことを
認めようとしませんでしたが、
後で、唐僧に説教されて、自分の間違いを悟り、
3つ盗み食いしたことを認めました。

ふたりの童子は4個だと言って、
まだひどく文句を言っています。

悟空は腹が立ってきて、
毛を1本抜くとニセの悟空の姿にして、
そこに立たせてしかられる役にしました。
そして自分は雲に乗って後園へ飛んで行きました。

悟空は果園に入ると、
金箍棒を取り出して暴れまくりました。
その上、神通力まで発揮して木を根っこごと引っこ抜いて、
地面に倒してしまいました。

仙果は木から落ちて、土にぶつかり
全部土の中にもぐりこんでしまいました。

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EDIT |  16:43 |  西遊記  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2006.02.27 (Mon)

【西遊記】第十一回 五庄観で人参果を盗み食いする(2) 

ちょうどうまいことに、この部屋は厨房の隣りだったので、
ふたりの童子が人参果を分けて食べたことを、
八戒はしっかりと耳にし、目にしてしまい、
口からよだれをたらして、
すぐに食べたくてしかたなくなりました。

しばらくすると、悟空が馬の散歩から帰って来ました。
八戒はあわててさっきのことを兄弟子に話しました。

悟空は人参果の噂はとっくに知っていたのですが、
食べたことはありません。
そこで八戒の言うとおりに隠身の術を使って
こっそりと道房に忍び込み、
童子たちが摘むのに使っていた金撃子を持ち出して、
後園へ人参果を摘みに走りました。

この人参果の木は高さ千尺余もあって、
とても生い茂っています。
南向きの枝には1粒人参果がなっています。

悟空は軽く跳び上がり、
枝に登ると金撃子でたたいてみました。

その人参果は枝から落ち、
悟空もすぐにそれを追って跳び下りましたが、
実はどこへ行ったのか見つかりません。

悟空は果園の土地神を捕まえて来て、
どうして人参果を盗んだのか、と問い詰めました。

土地神は悟空に言いました。

この宝の木は3000年に1度花が咲き、
その後3000年たってからやっと実を結ぶ。
さらに3000年たつとそれが熟し、
しかも30個しか実はならない。
これはとても不思議な実で、
金属にあたると枝から落ち、
土にあたると土にもぐってしまう。
実をたたき落とすときには繻子が必要だ、と。

悟空は土地神を送り返した後、
片手に金撃子を持ってたたき、
片手は自分の服を引っ張って広げ
果実を3個受け止めました。

悟空が厨房に戻って来ると、
八戒に沙悟浄を呼びに行かせて、
3人で1個ずつ分けました。

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EDIT |  16:34 |  西遊記  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2006.02.26 (Sun)

【西遊記】第十一回 五庄観で人参果を盗み食いする(1) 

唐僧師弟4人は道を急ぎました。
食べ物も睡眠も足りぬまま何日か歩き続け、
魅力に満ちた景色の万寿山五庄観へとやって来ました。

時刻も遅くなったので、
五庄観で一晩泊まろうということになりました。

五庄観のふたりの童子は、
彼らが東土大唐から西天へお経を取りに行くのだと聞いて、
あわてて言いました。

「うちのお師匠様は元始天尊のところへお説教しに行かれ、
私たちにここであなたを待たせておかれたのです。
さぁ、どうぞお入りください。」

この童子たちの師匠は鎮元子で、

500年前の蘭盆会のときに
唐僧の前世である金蝉子と知り合っていたのでした。

出かけるときに、ふたりの童子に
しっかりと唐僧をもてなすように言い、
観の宝である2粒の人参果で唐僧を接待するように
言いつけてあったのです。

ふたりの童子は唐僧の身の回りの世話を終えると、
急いで果園へ人参果を摘みに行きました。

ふたりは人参果を摘むと、
唐僧の弟子たちがいないうちに、
こっそりと持って来て唐僧に食べさせました。

唐僧は人参果がまるで生まれたての赤ん坊のような形なので、
びっくりして全身震え始め、
大きく手を振って食べようとしません。

ふたりの童子はそれを見て、こう説明しました。
「これは仙果です。人ではございません!」

唐僧はそれでも信じられず、急いで下げさせました。
ふたりの童子はしかたなく、人参果をささげ持って、
部屋に戻りました。

その人参果は日持ちがしないので、
食べてしまわなければ、長寿になることができません。
そこでふたりの童子はひとり1個ずつ分けて食べてしまいました。

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EDIT |  20:41 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.23 (Thu)

【西遊記】第十回 禅心を試し八戒天婚に出くわす(5) 

唐僧はびっくりして急いで
悟空と沙悟浄を起こしました。

悟空が振り向いてみると、
向こうにコノテガシワの老木があり、
1枚の紙がひっかかって、
風にゆらめいています。

悟空は近づいて行ってそれを引きちぎると、
師匠に見せました。

それを見ると、昨夜の4人の女性は
黎山老母、観音、普賢、文殊が
姿を変えたものだったことがわかりました。
彼らの取経の決心を試したのでした。

このとき林の中から八戒の叫び声が聞こえて来ました。
「お師匠様、早く助けてください。もうしませんから!」

唐僧、悟空、沙悟浄は声のほうへ向かって探しに行くと、
八戒がしっかりと縛り上げられ木につるされて
大声を上げています。

悟空は近づいて行ってからかいました。
「新郎様は、どうして新居にも行かないで、
木の上にのぼってブランコで雑技やってるんだ?」

沙悟浄はそれを見て、
八戒が罰を受けているのがかわいそうになり、
彼をほどいてやりました。

八戒は自分の過ちに気づき、
うなだれて師匠に許しを請い、
戒めを受け、師匠といっしょに取経に行く
と言いました。

そして唐僧は3人の弟子を連れて
空に向かって菩薩にお詫びをし、
白馬にまたがりよろこんで
西へと向かって行きました。

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EDIT |  16:54 |  西遊記  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2006.02.22 (Wed)

【西遊記】第十回 禅心を試し八戒天婚に出くわす(4) 

八戒は被り物をかぶり、
そばを人が行ったり来たりするが聞こえますが、
手を伸ばして捕まえようとしても、
柱しか捕まえられません。

壁にぶつかって、部屋じゅうやたらに走り回り、
とうとうハーハーと息切れしてしまい、
ついには走ることもできなくなり、
床にどすんと座り込みました。

八戒はそれでもあきらめきれず、
婦人に、いっそのこと3人とも嫁にくれ、
と言い出しました。

婦人は承知せず、
部屋から真珠をたくさん掛けたシャツを持ってきて、
「どの娘も1着ずつ織りました。
あなたが着られたシャツを織った娘を嫁がせましょう。」
と言いました。

八戒はそれを聞いて心中とても喜び、
次から次へと黒い着物を脱ぎ捨て、
真珠がいっぱい掛かったシャツを着ました。

しかし彼が腰帯を結ぼうとした矢先、
「ブッ」という音を立てて床に倒れこみました。
そのシャツは見る見るうちに1本のひもに変わり、
八戒をしっかりと締め付けました。
どれだけふんばっても抜け出せません。

そして唐僧、悟空、沙悟浄は
八戒が連れて行かれた後、
婦人がすぐに持って来させた
おいしいごちそうを食べて、
玄関で寝てしまいました。

目覚めると、東の空がすでに明るんでいます。
唐僧はあわてて出発しようと、
目を見開いてみると、
昨夜泊まったきれいな建物はなくなっています。
3人は地べたで眠っていたのです。

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EDIT |  17:27 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.21 (Tue)

【西遊記】第十回 禅心を試し八戒天婚に出くわす(3) 

悟空はわざと
「どこで馬を放していたんだ?」
とからかいました。

八戒はぼそぼそと
「ここの草は育ちが悪い。」
などと言いました。

ちょうどこのときそばの扉が開き、
婦人が3人の娘を連れ、きれいな着物を着て、
小またで入って来ました。

そして唐僧師弟に問いただします。
唐僧は合掌し頭を下げて阿弥陀仏を唱えています。
孫悟空は顔を上げて彼女らには取り合いません。
八戒だけが瞬きもせずに彼女たちを見つめています。

顔合わせの後、婦人は娘たちを内房へ帰らせ、
それからやっと唐僧に尋ねました。
「長老様はどのお弟子様に娘を娶らせようと
お考えなのですか?」

唐僧、悟空、沙和尚はみな八戒のほうを
にらみつけました。
八戒はまだ気が進まないふりをしています。

悟空が進み出て八戒の手をつかむと、
婦人の手まで持って行って言いました。

「あなたたちで話し合ったらいいじゃないか?
婚礼の儀式をどうぞ!」

八戒はまだもったいぶっています。
口では気が進まないようなことを言いながら、
すでに玄関を出て、
婦人についてあっちへ曲がりこっちへ曲がりして、
後房までやって来ました。

八戒はあせってすぐに婚礼の儀式を
挙げようとします。

婦人は婚礼用の被り物を八戒の頭にかぶせ、
3人の娘に彼のそばを行ったり来たりさせて、
彼が捕まえた娘を嫁にやる、と言いました。

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EDIT |  15:31 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.20 (Mon)

【西遊記】第十回 禅心を試し八戒天婚に出くわす(2) 

唐僧師弟は見捨てられ、
飲むものも食べるものもないまま
広間に座り込んでいました。
かまってくれる人もいません。

八戒は
「お師匠様、とりあえず彼女にうそを言っておいて
腹いっぱいになってから、
どうするか考えればよかったんじゃないんですか?」
と恨み言を言いました。

言い終わると、馬を放しに行くと言って、
広間を出て行きました。

悟空は八戒が何かたくらんでいると思い、
赤トンボに姿を変えて八戒について行きました。

八戒は馬を牽きながらどこへ行くともなく、
塀に沿って裏口に回りました。

このときちょうど、婦人は3人の娘といっしょに
小院で菊の花を観賞していました。

八戒はその様子をのぞき見て、
たしかに3人の娘は天女のように美しいなどと、
妄想にふけったまま、
ニコニコしながら
そうっと中に入って行きました。

3人の娘は見知らぬ人が入ってきたのを見て、
みな恥ずかしがって部屋の中に隠れてしまいました。

八戒は婦人に近づいて行って、
うやうやしくお辞儀をし、親しげに声をかけました。
「お母さん、私は馬を放しに来ました。」

そして婦人に娘を嫁にくれるように頼みました。
婦人は「お師匠様は承知なされたのですか?」
と尋ねました。

八戒は「彼は私の父ではありません。
そこまでかまっちゃいられません!」
と言いました。

悟空はその言葉をはっきり耳にすると、
玄関まで急いで飛んで戻り、元の姿に戻ると、
八戒と婦人の話を師匠に話しました。

言い終わるやいなや、
八戒が馬を牽いて戻って来ました。

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EDIT |  19:13 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.19 (Sun)

【西遊記】第十回 禅心を試し八戒天婚に出くわす(1) 

しばらく行くと、空はだんだんと暗くなりました。
近くの小さな林の中に、
豪華なアーチ門がかすかに見えます。

唐僧は「今夜泊まるところがあった。」と喜びました。
唐僧師弟が門のところにやって来るやいなや、
中から中年の女性が出て来ました。

唐僧は急いでお辞儀をして、
いきさつを説明すると、その婦人は唐僧師弟に、
中に入って休んでください、と言いました。

その婦人は唐僧師弟を広間まで連れて来ると、
使用人にお布施のご飯を用意するように言いつけ、
自分は唐僧と世間話を始めました。

「当家は巨万の財産を持ち、
豊富な田畑を所有しております。
ああ!唯一の不運は、
夫がおととし亡くなったことでございます。

今は3人の娘と暮らし。
あなたがた4人は品行方正な方々のようです。
我が家の娘婿になっていただけるとありがたいのですが。
お師匠様はどう思われます?」

唐僧は耳まで赤くして、
聞こえないふりをして答えませんでした。
八戒はそんなにたくさん財産があって、
絶世の美女がいると聞いて、興味を示し、
こそこそと師匠に近づいて行って、
師匠に承知させようとしました。

唐僧はギロリと八戒をにらみつけると、
しかりつけました。
八戒は口を尖らせて隅っこに立っていました。

婦人は唐僧が承知しないと見ると、
機嫌が悪くなりました。

唐僧はそれを見て悟空に責任をなすりつけ、
悟空は八戒に責任をなすりつけました。
八戒は心の中は婿になりたいと思っていましたが、
口では遠慮するふりをしていました。

婦人は次から次へと責任をなすりあって、
承知しようとしないのを見て、
怒って屏風の裏に隠れて、
扉の鍵を閉めてしまいました。

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EDIT |  19:43 |  西遊記  | TB(0)  | CM(1) | Top↑
2006.02.16 (Thu)

如火如荼 

勢いが激しいさま 春秋時代末期、
呉国国王夫差は越国、魯国、斉国と連続して征服し、
意欲満々でさらに西北へ向かって進軍を続け、
一気に晋国を征服しようとしていた。

しかしちょうどこのとき、
越国勾践は呉王の背後に回り込んだ。

彼は軍を率いてそのまま呉国の都姑蘇(蘇州)を攻め、
人馬を派遣して淮河を占拠し、呉王の退路を断った。

この知らせを聞いて呉王夫差は、
頭から冷水を浴びせられたように驚愕した。
すぐに文臣武将を招集して対策を話し合った。

「今退却すれば、前も後も負け戦、
両方向から攻められることになります。」

「もし晋国を打ち負かすことができれば
諸侯国の中で覇主になったも同然、
それから越王勾践を片付けても遅くはありません。」
と意見はさまざまだった。

大まかな方針が決まり、
当面はできる限り早く晋国を征服することとなった。

何度も策を練り、敵の意表をついて
勝利を収めることに決定したのだ。

ある日の夕方、呉王は命令を下した。
全軍の将校兵士は満腹になるまで食べ、
馬も草を存分に食べた。

全軍から3万の精兵強将が選ばれた。
1万人ごとに方陣をしき、全部で3つの方陣ができた。
方陣ひとつは縦横100人ずつである。

どの列の先頭にも将校が配置された。
10列ごと、つまり1000人ごとに、
ひとりの大夫が責任者になった。

方陣ごとにひとりの将軍が統率した。
真ん中の方陣は白い兜、白い鎧、白い服、白い旗、白い弓矢で、
呉王自身が指揮し、中軍と称した。

左側の方陣は赤い兜、赤い鎧、赤い服で、
右側の方陣はすべて黒で統一された。

夜中に出発して、明け方ごろには晋軍から
わずか1里のところにまで到達した。

空が明るくなるやいなや、呉軍は軍鼓を高らかに打ち鳴らし、
歓呼の声は天地を揺るがすほどだった。

晋軍は夢から覚め、呉軍の3つの方陣とその気勢を目にして、
まったくの放心状態だった。

白い方陣は「白いことカヤのごとく」、
白い花が満開になった茅の草原のようだった。

赤い方陣は「赤いこと火のごとく」燃え盛る火炎のようだった。
そして黒い方陣はまるで深さが測り知れない海のようだった。

この故事の出典は《国語・呉語》である。
成語「如火如荼」はある集団または事物の陣容が大きく、
気勢が盛んなさまを形容する。

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EDIT |  14:47 |  故事成語  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2006.02.14 (Tue)

【西遊記】第九回 流沙河で沙和尚弟子入りする(3)  

悟空は筋斗雲に乗って南海伽山紫竹林に飛んで来て、
観音様のところに行って状況を説明しました。

観音様は「その妖怪は元は天上の巻簾大将が
下界に下ったものです。
私が説いて唐僧を守って
西天取経へ行くことになっています。」
と言いました。

観音菩薩は木叉行者に赤ヒョウタンを持たせ、
悟空といっしょに流沙河まで行かせました。

木叉行者は雲に乗って河面まで来ると、
大声で叫びました。
「悟浄!悟浄!取経に行かれる方がここにおられる。
早く出てきてお師匠様と行くのだ!」

妖怪は呼び声を聞いて、あわてて水面から飛び出しました。
木叉行者は
「そなたのお師匠様と兄弟子たちに顔をお見せなさい!」
と言いました。

妖怪は衣服を整え、師匠と顔合わせしました。
唐僧は喜んで弟子入りさせ、
頭をそってやって沙和尚と名づけました。

沙和尚は首に掛けていた9個のドクロをはずし、
観音菩薩の赤ヒョウタンをそれに縛り付けると、
河の中に放り投げました。
するとたちまちそれは小船に変わりました。

唐僧は八戒と悟浄に支えられて船に乗ると、
西の岸へと漕ぎ進みました。
悟空は白龍馬を牽き、船のあとをしっかりとついて行きます。

岸に上がると木叉行者は赤ヒョウタンを収めました。
あのドクロは9筋の陰風になり、すぐに消えてしまいました。
唐僧は木叉行者にお礼を申し上げ、
南に向かって観音菩薩にも拝礼し、
それから馬にまたがり3人の弟子を連れて
西への旅を急ぎました。

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2006.02.13 (Mon)

【西遊記】第九回 流沙河で沙和尚弟子入りする(2)  

悟空は追いかけようとしましたが、唐僧に呼び止められ、
師弟ふたりはどうやって河を渡るかと相談を始めました。

悟空は「この魔物はきっとこの河に住んでいるんです。
きっと河を渡るには、ヤツをやっつけさえすればいいんです。
そうすりゃ河を渡るのは簡単です!」
と言いました。

八戒はあわてて
「オレ様は天の川の天蓬元帥だ。
泳ぎの得意なオレにヤツを片付けさせてください!」
と言いました。

八戒は「避水呪」を唱えると、
衣服を脱いでまぐわを手に持ち
水府へ飛び込んでいきました。

妖怪は杖で打ちかかって来ます。
双方河底から水面まで、
それからまた水面から河底までくんずほぐれつ、
まる4時間戦っても勝敗がつきません。

悟空は手を出すこともできず、
イライラしてそばで目配せ、手振りをして、
八戒に妖怪を岸に上げるように指示しました。

八戒は戦いにのめりこんでいるので、
悟空が何を言っているのか気づきもしません。

悟空はイライラして、いても立ってもいられず、
筋斗雲に飛び乗り、腹をすかせた鷹に姿を変えて
急降下していきました。

妖怪は突然頭上で風の音がしたので、
顔を上げてみると、
悟空が自分の方へ向かって突っ込んで来ます。

すぐに宝杖をしまって水に跳び込み、
2度と出て来ようとはしません。

悟空はしかたなく戻って来て、師匠に
「あの妖怪はとてもずるがしこいヤツです。
水に跳び込んだらもう絶対出て来ません。
観音菩薩のところへ行って相談してきます。」
と言いました。

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EDIT |  18:46 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.12 (Sun)

【西遊記】第九回 流沙河で沙和尚弟子入りする(1)  

唐僧師弟3人は黄風嶺を越えると、
道中特に気をつけるようになりました。

日が昇ると道を急ぎ、日が暮れれば休む。
このようにして1年が過ぎました。

この日は見渡す限り果てしない、
流れの激しい大河までやって来ました。

悟空が空中に跳び上がってみると、
この河の幅は少なくとも800里はありそうで、
渡る船も見当たらず、人影さえありません。

突然八戒が「兄貴、こっちへ来てみろよ!」と言いました。
見ると岸辺に石碑がひとつ建っています。

近づいて見ると、「流沙河」の三文字が彫られています。
石碑の後面には小さな字で4行こう書かれています。
「八百流沙界、水深三千弱、ガチョウの羽も飛ばず、
葦の花も底には届かない」。

唐僧はため息をついて言いました。
「いったいどうしたらいいのだ?」

すると急に大きな音がして、
河の中から1匹の妖怪が飛び出して来ました。
その妖怪は唐僧に襲いかかって来ました。

悟空はあわてて師匠を守り、八戒はまぐわを揮い、
妖怪と河辺で打ち合いが始まりましたが、
半日経っても勝敗はつきません。

悟空は跳び上がって棒を振り上げ
妖怪に打ちかかりました。

妖怪は杖を揮ってそれを防ぎましたが、
振動で両腕がしびれ、指の間が裂けてしまいました。

妖怪はあわてて河の中に飛び込むと、
河の底にもぐりました。

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EDIT |  16:59 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.10 (Fri)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(6) 

悟空は八戒に林の奥に隠れて待っているように言うと、
自分は霊吉菩薩を尋ねて行くことにしました。

悟空は筋斗雲に乗って南へ向かいました。
しばらくすると彩雲がかかっている高い山が見えました。
谷には静かな禅院があり、
時々荘厳な鐘の音が聞こえてきて、
香しい空気が漂っています。

雲を止め門の前までやって来ると、道士がいます。
急いで近づいて行ってお辞儀をし、
ここは霊吉菩薩がお説教する場所か、と尋ねました。

霊吉菩薩はそのことを聞くと、すぐに悟空を出迎えました。
悟空が来意を告げると、
菩薩は「私は如来仏祖の法旨を奉り、ここで黄風怪を鎮圧した。
ヤツを捕まえただけで、殺さずにおいた。
山中に放し、もう人々を傷つけないように言ってあったのだが、
悪さはまだ治らないようだ。
そなたたちの師匠を傷つけたとは。
私が一肌脱いで進ぜよう。」と言いました。

霊吉菩薩は定風丹を取り出すと、飛龍宝杖を取り、
悟空と雲に乗って黄風山へとやって来ました。

菩薩は山門の前で黄風怪をおびき出すため、
悟空に戦いを呼びかけさせました。

悟空は祥雲から降りると、
金箍棒を振るい洞門を打ち壊しました。
老妖怪はとても腹を立て、
刺股を振り上げて悟空の胸元に突きかかりました。

悟空は棒を振り上げ受け止めました。
しばらく打ち合ううちに、
老妖怪がまた口を開き風を呼ぼうとします。

空中の霊吉菩薩が飛龍宝杖を投げ捨てると、
八爪金龍に姿を変え、
両手の爪を伸ばして老妖怪をひとつかみにし、
頭をつまんで崖っぷちまで放り投げました。

妖怪は元の姿に戻りました。
黄色のテンが化けたものだったのです。

悟空は棒で打ちかかろうとしましたが、
霊吉菩薩が制止して、
「待て。ヤツはもともと霊山のふもとのネズミだったのだ。
瑠璃灯の清油を盗んで食べたので、
金剛に捕らえられるのを恐れて、
ここへ来て妖怪となったのだ。

ヤツは元の姿に戻った。
私はヤツを如来のところへ連れて行って、
唐僧を傷つけたことをどう処罰するか考えることにする。
悟空、そなたはどう思う?」と言いました。

悟空が霊吉菩薩に礼を言うと、
霊吉菩薩は黄色のテンを連れて西へと向かいました。

悟空は林の中で八戒を探し出すと、
ふたりは洞の中の大小さまざまな妖怪をすべて打ち殺し、
唐僧を救い出しました。

そして洞の中で精進物を探し出すと、師匠に食事を作り、
それから洞の外へ出て、黄風洞に火を放ち、
再び西への旅を続けました。

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【生涯学習のユーキャン】行政書士講座

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EDIT |  18:16 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.09 (Thu)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(5) 

見ると老妖怪は広間にいるところで、
小妖怪たちは武器をかたづけ、
次の戦いの準備をしています。

悟空は裏庭まで飛んで行ってみると、
師匠が定風柱に縛り付けられています。

唐僧の頭上まで飛んで行って、こっそり声をかけ、
心配しないように言いました。

悟空はまた広間へ飛んで行きました。
ちょうど小妖怪が
「大王様、口が長く耳が大きい和尚だけが
林に座っています。
あの毛むくじゃらの顔の和尚は見当たりません。
援軍を呼びに行ったのかもしれません。」
と報告しているところでした。

老妖怪は「恐れることはない。
霊吉菩薩でなければ大丈夫だ。」
と言いました。

悟空はそれを聞いて、心中大喜びしました。
彼は黄風洞を飛び出ると、元の姿に戻って林の中に入り、
さっき聞いた話を全部八戒に話しました。

しかし、霊吉菩薩はどこにいるのでしょう?
ふたりは相談していると、突然道端から老人が出て来ました。
悟空はあわててお辞儀をし、尋ねました。
「ご老人、霊吉菩薩の住所をご存知ですか?」

老人は「霊吉菩薩はちょうど南の方角の
小須弥山に住んでおられる。」
と言いながら南を指差しました。

悟空は指の先の南の方向を眺めましたが、
そのときすでに老人はそよ風になり、
1枚のお札だけを残して、消えてしまっていました。
太白金星がこっそり助けに来てくれたのです。

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【生涯学習のユーキャン】ピンズラー英語

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EDIT |  16:38 |  西遊記  | TB(0)  | CM(4) | Top↑
2006.02.08 (Wed)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(4) 

そして彼らは馬を牽いてくぼ地を抜けると、
南の丘のふもとに院が建っていました。

早速入っていって門をたたき、
宿を貸してくれるように頼みました。

ところが、中から老人が飛び出て来て、
数人の若い農夫を連れて、
棍棒を手に襲い掛かってきたのです。

悟空は誤解してのことと思い、
あわてて来意を告げました。

その老人はそれを聞くとあわてて謝罪し、
寝床を用意させ、食事の支度をさせました。

悟空の涙が止まらないので、
老人はメノウ石で作った小さな缶を持って来ました。
仙人がくれた三花九子膏という
どんな風眼にも効く薬だと言うことです。

老人は悟空の目に少し注してやると、
眼を開けないように言いました。

悟空はこの際だ、と思い寝てしまいました。
次に日の朝になってやっと目覚め、
しっかりと瞬きをしてみると痛くなくなっています。

さらに不思議なことには、
兄弟弟子ふたりが寝ていたのは草地だったのです。

周りを見渡すと、木の上にお札が引っかかっています。
それを取ってみると、
昨夜の院や老人は護法伽藍が
姿を変えたものだったことがわかりました。

ふたりは相談して、八戒が馬の番、
悟空が妖怪退治へと向かうことに決めました。

悟空は黄風堂の前までやって来ると、
マダラ蚊に姿を変え、門の隙間から忍び込みました。

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EDIT |  19:20 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.07 (Tue)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(3) 

老妖怪は悟空が先鋒官の死体を引きずって来て
毒づいていると聞き、とても腹を立てて
すぐに身支度をして、鋼鉄製の刺股を持ち、
子分たちを全員引き連れ洞を出て応戦しました。

老妖怪が飛び出てくると、
悟空と黄風洞の前で刺股と金箍棒の戦いが
繰り広げられましたが、なかなか勝負がつきません。

悟空はどうしても勝ってやろうと、
からだから毛を抜いて仙気を吹きかけました。

毛はたちまち100匹あまりの悟空に変わり、
どの悟空も手に金箍棒を持って、
老妖怪を取り囲みました。

老妖怪はどこかでこんな場面を見たことがあり、
心中とても恐れていました。
そして地面に息を吹きかけたかと思うと、
たちまち空から狂風が巻き起こり、
100匹あまりの悟空たちは
風車のように空中に巻き上げられました。

悟空はあわてて毛を呼び戻すと、
金箍棒を振るって老妖怪と戦いました。

老妖怪は悟空に勝つのは容易でないと悟ると、
突然悟空の顔に息を吹きかけました。

たちまち悟空は目に
無数の針が突き刺さったようになり、
痛くて目を開けていられません。
すぐに退散することにしました。

老妖怪はこのスキに兵を引き揚げさせました。
そして空は晴れ上がりましたが、
悟空は八戒に両目が痛くて涙が止まらない、
と話しました。

夜になって、兄弟弟子ふたりは
休む場所を探すことにし、
老妖怪とは明日また決着をつけることにしました。

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EDIT |  16:18 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.06 (Mon)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(2) 

老妖怪の先鋒は自ら買って出て、
50名の精鋭の部下を連れ
戦太鼓を打ち鳴らし戦旗を振りかざして、
両口赤銅刀を持って、洞門を飛び出して行き、
悟空と打ち合いまし

何度か打ち合ううちに、その妖怪は足腰が疲れてしまい、
身を翻し逃げ出そうとしました。
悟空はあわてて退路をさえぎります。

先鋒は山洞に帰れないと見ると、
しかたなく反対方向の坂を駆け上がって行きました。

八戒はちょうど坂の上で馬を放そうとしていたところでした。
妖怪が悟空に追いかけられこっちのほうへ走ってくるのを見て、
馬を放し、九歯のまぐわを振り上げ
力いっぱい打ちかかっていきました。

一発で妖怪の脳天はぐちゃぐちゃになり、
正体を現しました。−−虎だったのです。

悟空はそれを見てとても喜び、
片手には金箍棒、もう一方の手には虎の死体を持ち、
また洞の入り口にやって来て、
老妖怪を呼び出そうとしました。

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EDIT |  15:27 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.05 (Sun)

【西遊記】第八回 黄風洞で唐三蔵難に遭う(1) 

これ以後、唐三蔵には弟子がひとり増えました。
師弟3人はどんな苦難も恐れず、
日夜西への道を急ぎました。

この日、高く険しい山のふもとにやって来ると、
突然つむじ風が吹いて来ました。

悟空は風をよけると、風の尻尾をひとつかみして、
匂いをかいでみました。
生臭いにおいがします。

「この風のにおいなら、
ここらへんにいるのは猛虎か妖怪のようだな。」

その言葉が終わらないうちに、
坂の下のほうから1頭の鮮やかな色の猛虎が
飛び出して来ました。

唐僧はびっくりして白馬の背から転げ落ちました。
八戒はそれを見ると、荷物を投げ捨て、
まぐわで真っ向から打ちかかりました。

突然その猛虎は立ち上がり、爪を伸ばして自分の胸を引き裂くと、虎の皮を

脱ぎ捨て、大声で叫びました。

「オレ様は黄風大王の先鋒だ。
貴様たちはどこの和尚だ?」

八戒がいきさつを話すと、
その妖怪は後ろを振り向いて、
石ころの中から両口赤銅刀を取り出し、
八戒に向かって切りかかり、
坂の前での攻防が始まりました。

悟空はそれを見て、金箍棒で打ちかかりました。
その妖怪はかなわぬ相手だと見ると、
ひと転がりして猛虎の姿に変わり逃げ去りました。

悟空と八戒があきらめるわけはありません。
急いでその後を追いかけました。

その妖怪は逃げ切れないと見るや、
セミの脱け殻の術を使い、爪で虎の皮を剥ぐと、
虎が伏せているような形の石に掛け、
自分は狂風になってその場を抜け出しました。

曲がり角まで来ると、唐僧が道端に座っています。
唐僧をひとつかみにして、
狂風に乗って逃げてしまいました。

その妖怪は唐僧をつかんで洞まで来ると、
得意満面で洞主に唐僧を捕まえたことを報告しました。

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EDIT |  16:14 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2006.02.04 (Sat)

【西遊記】第七回 高老庄で唐僧八戒を弟子に取る(4) 

妖怪は力いっぱい、火花が出るほどたたいているのに、
ビックリ仰天して言いました。
「立派な頭だ!お前花果山の水簾洞にいたんじゃないのか?
どうしてこんなところに来やがったんだ?
まさか親父さんに呼ばれたのか?」

悟空は「いいや、オレ様は足を洗ったんだ。
唐僧西天取経のお供でここを・・・」

妖怪は「取経」の2文字を耳にすると、
パッとまぐわを投げ捨て、拱手の礼をして言いました。
「手数をかけて悪いが、お会いさせていただけないだろうか。
観音菩薩様のお導きで、
ここであなたたちを待つように言われていたのだ。
オレも唐僧と西天取経に行きたい。
功徳で罪滅ぼしをするのだ。」

ふたりは雲桟洞に火を放ち、
悟空は妖怪を逆手に縛り上げて、
高老庄へ連れて帰りました。

妖怪はバタッと唐僧の前にひれ伏すと、
観音菩薩から善行をするように、
と言われていることを話しました。

唐僧はとても喜び、悟空に縄をほどくように言い、
高太公には香炉燭台を持って来てくれるように頼み、
彼に法号猪悟能、別名猪八戒という名を与えました。

高太公も猪八戒に僧衣、僧靴、僧帽等を用意し
身に着けさせました。

出発のとき、八戒は何度も言い含めました。
「親父さん、女房をよろしく頼むよ。
もしお経を取って来られなかったら、
オレはまた還俗するから。
女房を他へ嫁がせたりしちゃだめだよ!」

悟空は、でたらめを言うな、
と笑いながらしかりつけました。
八戒は「オレは逃げ道を残しておくのさ!」
と言いました。

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EDIT |  15:19 |  西遊記  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.02.03 (Fri)

【西遊記】第七回 高老庄で唐僧八戒を弟子に取る(3) 

妖風は洞窟の中に入って行ってしまいました。
悟空は雲から降りるやいなや、
その妖怪は元の姿に戻り洞窟から出て来ました。
手には九歯まぐわを持って怒鳴っています。

「この弼馬温(悟空の以前の官職名)め!
あのとき天宮の大騒ぎでどれだけ俺たちを
巻き添えにしたかも知らず、
今日はまたオレをバカにしやがって、
オレのすごさを見せてやる。まぐわを食らいやがれ!」

悟空は棒を振り上げると、まぐわをさえぎり、
たずねました。
「どうして孫様のことを知っているんだ!」

妖怪は自分の生い立ちを話し始めました。:
元は天上の天蓬元帥だったのです。
西王母の蟠桃会(ばんとうえ;西王母の誕生日を祝う会)で
酔っ払ってしまい、寒宮に飛び込んで
美しい嫦娥に出会い、嫦娥をもてあそんでしまったのです。

玉皇大帝はこの事件を知り、
天のおきてに従い彼を死刑にしました。
しかし太白金星に泣きついて、何とか命拾いしましたが、
銅錘2000回の刑に処され、
下界に生を受けることとなったのです。

彼が転生を急ぐあまり、思いもかけず豚の腹に入ってしまい、
挙句の果てにこんな姿になった、と言うのです。

こうして妖怪と悟空はしばらく打ち合いましたが、
抗しきれないと見るとさっと身を引き
洞窟に逃げ込みました。

悟空は洞窟の前で怒鳴りつけましたが、
妖怪は出て来ようとしません。
悟空はそれを見ると、跳びはねて悔しがり、
金箍棒で洞窟の門を壊してしまいました。

妖怪は洞窟の門が壊される音を聞き、
しかたなく飛び出して大声で怒鳴りました。
「オレが高老庄に婿入りしたのがお前と何の関係があるんだ。
人をバカにするのもにもほどがある。
オレのまぐわが許さんぞ!」

悟空はからかってやろうと、
立ったまま動きもしません。
妖怪がどれだけ打ちかかってきても
悟空の頭の皮は赤くなりさえもしません。

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EDIT |  15:38 |  西遊記  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.02.02 (Thu)

【西遊記】第七回 高老庄で唐僧八戒を弟子に取る(2) 

悟空は鉄の鎖を叩き切り、
院の中の真っ暗な部屋に入って行きました。

高太公と娘は顔を合わせると、
我慢しきれずに抱き合って泣き出しました。

三女は
「あの妖怪は父上が法師に
自分を捕まえてくれるように頼むのを知っていて、
毎日明け方出かけては、
夜になるまで帰ってきません。」
と言いました。

悟空は高太公親子を逃げさせ、
自分は三女の姿に化けました。

しばらくすると、院の外に強風が吹き荒れ、
あの妖怪が空中に姿を現しました。

悟空はあわててベッドによしかかり、
病気のふりをしました。

妖怪は手探りで部屋に入って来ると、
「姉さん、姉さん、どこにいるんだい?」
と叫びました。

悟空はわざとため息をついて
「今日外で父上があなたを罵っているのを聞きました。
それに法師に頼んであなたを捕まえに来るそうです。」
と言いました。

その妖怪は「怖がらなくてもいい。もう寝よう。」
と言いました。

悟空は
「父上が頼んだのは500年前に
天宮を大騒ぎさせた斉天大聖なんですよ。
怖くないのですか?」と言いました。

その妖怪は寒気を吸い込み
「オレたちは夫婦にはなれないな。」
と言いました。

豚の妖怪は門を開け外へ走り出ました。
悟空は裏から妖怪の襟首をひっ捕まえ、
顔をひとなぜすると、元の姿に戻り大声で叫びました。
「バカ妖怪め、オレ様を誰だと思ってるんだ?」

妖怪は悟空をひと目見ると、
驚いて手足が動かなくなってしまい、
ヒューッと一陣の強風になって逃げていきました。

悟空はその妖風を追いかけて、
高い山までやって来ました。

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EDIT |  17:15 |  西遊記  | TB(1)  | CM(2) | Top↑
2006.02.01 (Wed)

【西遊記】第七回 高老庄で唐僧八戒を弟子に取る(1) 

この日の夕暮れ、彼らは高老庄という村までやって来ました。

ちょうど、庄の主高太公が
妖怪の法師を捕らてくれる法師を、
あちこち探し回っていることろでした。

悟空はそれを聞いてとても喜び、
「探し回らなくても大丈夫だ。
俺様は妖怪捕りの専門家だ。」
と言いました。

実は、高太公には3人の娘がいて、
上のふたりはすでに嫁ぎ、三女の番になって、
家を継いでくれる入り婿を探そうと思っていたのでした。

3年前にやって来た、黒くてがっしりした、
猪という姓の自称福陵山の青年が、
高家に婿に入ろう言いました。

三女は彼にまあまあ満足していたので、
高太公は彼と結婚させました。

最初、この娘婿はまめに働き、
野良仕事に刈り入れなど、まじめにやっていました。

しかし、しばらくすると、
突然豚の顔に豚の頭の妖怪に変わり、
一食に3、5斗もの米を食らい、
雲や霧に乗って行き来するようになりました。

この半年、三女は後院に閉じ込められてしまい、
誰も会わせてもらえません。

悟空は高太公の話を聞くと、
ポンと胸をたたいて言いました。
「その妖怪は俺様が捕まえてやろう。
今晩ヤツに離縁書を書かせて、
永遠に娘さんとは会えなくしてやるよ。」

高太公は助太刀は何人いるかと尋ねましたが、
悟空は「ひとりもいらん。
お師匠様の面倒を見てくれるだけでいい。」
と言いました。

高太公は急いでそのとおりにしました。
師匠を落ち着かせてから、
悟空は高太公に道案内をさせて後院までやって来ました。

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EDIT |  14:04 |  西遊記  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
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